『Sheer Heart Attack』はQueenが発表した3枚目のオリジナル・アルバム
『Sheer Heart Attack – シアー・ハート・アタック』はQueen(クイーン)が発表した3枚目のオリジナル・アルバムである。イギリスでの発売日は1974年11月8日。プロデューサーはロイ・トーマス・ベイカーとクイーンが担当。
アルバムには全部で13曲が収録されていて、1~6曲目までがアナログ・レコードのA面にあたり、7~13曲目までがB面にあたる。
収録曲
01.「Brighton Rock – ブライトン・ロック」
〈作詞・作曲〉ブライアン・メイ
〈リード・ボーカル〉ブライアン・メイ
〈曲について〉2枚目のアルバム『クイーン II』のセッション中にブライアン・メイによって書かれた曲。速いテンポのロックナンバーでギターの多重録音が印象的。ブライトンとはイギリスの南東部にある都市の名前。
02.「Killer Queen – キラー・クイーン」
〈作詞・作曲〉フレディ・マーキュリー
〈リード・ボーカル〉フレディ・マーキュリー
〈曲について〉優雅でウィットに富んだ歌詞と、洗練されたポップサウンドが融合した曲。アルバムからの第1弾シングルとして「Flick Of The Wrist」との両A面シングルとしてリリースされた。
03.「Tenement Funster – テニメント・ファンスター」
〈作詞・作曲〉ロジャー・テイラー
〈リード・ボーカル〉ロジャー・テイラー
〈曲について〉ロジャー・テイラーが曲を制作し、リード・ボーカルも担当した曲。歌詞は、若者の反抗心と自由がテーマになっている。
04.「Flick Of The Wrist – フリック・オブ・ザ・リスト」
〈作詞・作曲〉フレディ・マーキュリー
〈リード・ボーカル〉フレディ・マーキュリー
〈曲について〉音楽業界の暗い側面や搾取をテーマにした、やや皮肉を込めた歌詞が特徴。シンセサイザーとギターが絡み合うドラマチックな展開が魅力の曲。アルバムからの第1弾シングルとして「Killer Queen」との両A面シングルとしてリリースされた。
05.「Lily Of The Valley – 谷間のゆり」
〈作詞・作曲〉フレディ・マーキュリー
〈リード・ボーカル〉フレディ・マーキュリー
〈曲について〉短いバラードで、幻想的でメランコリックなメロディーが特徴の曲。フレディ・マーキュリーが創造したファンタジーの世界「Rhye」について書かれている。「Rhye」について書かれたクイーンの曲は、「My Fairy King – マイ・フェアリー・キング」と「Seven Seas of Rhye – 輝ける7つの海」と「Lily Of The Valley – 谷間のゆり」の3曲がある。
06.「Now I’m Here – ナウ・アイム・ヒア」
〈作詞・作曲〉ブライアン・メイ
〈リード・ボーカル〉フレディ・マーキュリー
〈曲について〉アルバムの中でも特に力強いロックナンバーで、ダイナミックなリフとシンプルで力強いメロディが特徴の曲。アルバムからの第2弾シングルとしてして、1975年1月12日にリリースされ、イギリスのシングル・チャートで最高11位を記録した。
07.「In The Lap Of The Gods – 神々の業」
〈作詞・作曲〉フレディ・マーキュリー
〈リード・ボーカル〉フレディ・マーキュリー
〈曲について〉壮大なサウンドとオペラ風のボーカルが印象的な曲。
08.「Stone Cold Crazy – ストーン・コールド・クレイジー」
〈作詞・作曲〉メイ/マーキュリー/テイラー/ディーコン
〈リード・ボーカル〉フレディ・マーキュリー
〈曲について〉クィーンの曲の中で、作詞・作曲にメンバー4人がクレジットされた一番最初の曲。スピーディーでアグレッシブなサウンドが特徴。後に「スラッシュ・メタルの元祖」とも言われるほどの速いテンポと激しいギターリフが印象的で、METALLICAがカバーしたことでも有名。
09.「Dear Friends – ディア・フレンズ」
〈作詞・作曲〉ブライアン・メイ
〈リード・ボーカル〉フレディ・マーキュリー
〈曲について〉ブライアン・メイが作詞作曲した短いバラード。シンプルなピアノとボーカルだけの編成。
10.「Misfire –ミスファイアー」
〈作詞・作曲〉ジョン・ディーコン
〈リード・ボーカル〉フレディ・マーキュリー
〈曲について〉ジョン・ディーコンがクィーンで制作した一番最初の曲。軽快でポップなラブソング。
11.「Bring Back That Leroy Brown –リロイ・ブラウン」
〈作詞・作曲〉フレディ・マーキュリー
〈リード・ボーカル〉フレディ・マーキュリー
〈曲について〉1920年代のアメリカン・ジャズやミュージックホールの影響を受けた、軽快でユーモラスな曲。タイトルは、アメリカのシンガーソングライターのジム・クロースの曲「Bad, Bad Leroy Brown」から影響を受けている。
12.「She Makes Me(Stormtrooper in Stilettoes) –シー・メイクス・ミー」
〈作詞・作曲〉ブライアン・メイ
〈リード・ボーカル〉ブライアン・メイ
〈曲について〉ブライアン・メイが曲を制作し、リード・ボーカルも担当した曲。サイケデリックな雰囲気が漂うミッドテンポのロック・バラード。
13.「In The Lap Of The Gods Revisited –神々の業(リヴィジテッド)」
〈作詞・作曲〉フレディ・マーキュリー
〈リード・ボーカル〉フレディ・マーキュリー
〈曲について〉アルバムの7曲目に「In The Lap Of The Gods – 神々の業」という曲があるが曲調は全く異なる。壮大でアンセミックなサウンドが特徴の曲。
『シアー・ハート・アタック – Sheer Heart Attack』をソング・ライターの比率で見ると、以下のとおり。
- フレディ・マーキュリー名義の曲(6曲) = 46.2%
- ブライアン・メイ名義の曲(4曲) = 30.8%
- ロジャー・テイラー名義の曲(1曲) = 7.7%
- ジョン・ディーコン名義の曲(1曲) = 7.7%
- メイ/マーキュリー/テイラー/ディーコン名義の曲(1曲) = 7.7%
イギリスのアルバム・チャートで最高2位を記録
『シアー・ハート・アタック – Sheer Heart Attack』のイギリスのアルバム・チャートでの最高位は5位である。イギリスのアルバム・チャートに1974年11月23日付で6位に初登場して、1974年11月30日付のチャートで最高位2位を記録した。イギリスのアルバム・チャートには47週チャート・インした。
アルバム・ジャケットについて
『シアー・ハート・アタック – Sheer Heart Attack』のアルバム・ジャケットの撮影はミック・ロック(Mick Rock)が担当した。ミック・ロックはイギリス出身の写真家で、デヴィッド・ボウイ、ザ・ストゥージズ、ルー・リードなど様々なアーティストを撮影した事で知られている。