『Abbey Road – アビイ・ロード』はビートルズが発表した12枚目のオリジナル・アルバム
『Abbey Road –アビイ・ロード』は、ビートルズが発表した12枚目※1のオリジナル・アルバム。
イギリスでの発売日は1969年9月26日。
プロデューサーはジョージ・マーティン。
アルバムには全部で17曲が収録されている。
1~6曲目までがアナログ・レコードのA面にあたり、7~17曲目までがB面にあたる。
9~16曲目がメドレーとなっている。
曲目について
01.「Come Together – カム・トゥゲザー」
〈作詞・作曲〉レノン/マッカートニー
〈リード・ボーカル〉ジョン・レノン
〈曲について〉「サムシング」との両A面シングルとしてリリースされた曲。イギリスのシングル・チャートで最高4位を記録した。
02.「Something – サムシング」
〈作詞・作曲〉ジョージ・ハリスン
〈リード・ボーカル〉ジョージ・ハリスン
〈曲について〉繊細なメロディと情感豊かな歌詞が魅力なバラード。ビートルズの公式発表曲の中で、ジョージ・ハリスン作で唯一シングルのA面になった曲。「カム・トゥゲザー」との両A面シングルとしてリリースされ、イギリスのシングル・チャートで最高4位を記録した。
03.「Maxwell’s Silver Hammer – マックスウェルズ・シルヴァー・ハンマー」
〈作詞・作曲〉レノン/マッカートニー
〈リード・ボーカル〉ポール・マッカートニー
〈曲について〉コミカルなメロディが特徴だが、歌詞の内容はシリアルキラーがテーマとなっている。
04.「Oh! Darling – オー!ダーリン」
〈作詞・作曲〉レノン/マッカートニー
〈リード・ボーカル〉ポール・マッカートニー
〈曲について〉1950年代のドゥーワップやロックンロールの影響が色濃く感じられる曲。
05.「Octopus’s Garden – オクトパス・ガーデン」
〈作詞・作曲〉リチャード・スターキー
〈リード・ボーカル〉リンゴ・スター
〈曲について〉リンゴ・スターがビートルズでリード・ボーカルを担当した最後の楽曲。 作詞・作曲もリンゴ・スターが担当した。
06.「I Want You(She’s So Heavy) – アイ・ウォント・ユー」
〈作詞・作曲〉レノン/マッカートニー
〈リード・ボーカル〉ジョン・レノン
〈曲について〉ブルース調の激しいロック・ナンバー。ビートルズのメンバー4人が揃ってレコーディングをした一番最後の曲。
07.「Here Comes The Sun – ヒア・カムズ・ザ・サン」
〈作詞・作曲〉ジョージ・ハリスン
〈リード・ボーカル〉ジョージ・ハリスン
〈曲について〉ジョージ・ハリスンがエリック・クラプトンの自宅を訪れた際に製作した曲。
08.「Because – ビコーズ」
〈作詞・作曲〉レノン/マッカートニー
〈リード・ボーカル〉ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン
〈曲について〉ベートーヴェンの「月光ソナタ」からインスピレーションを受けたと言われている曲。
09.「You Never Give Me Your Money – ユー・ネヴァー・ギヴ・ミー・ユア・マネー」
〈作詞・作曲〉レノン/マッカートニー
〈リード・ボーカル〉ポール・マッカートニー
〈曲について〉アルバムB面に収録されているメドレーの1曲目。
10.「Sun King – サン・キング」
〈作詞・作曲〉レノン/マッカートニー
〈リード・ボーカル〉ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン
〈曲について〉メドレーの2曲目。複雑なハーモニーと、スローでドリーミーなサウンドが特徴。
11.「Mean Mr. Mustard – ミーン・ミスター・マスタード」
〈作詞・作曲〉レノン/マッカートニー
〈リード・ボーカル〉ジョン・レノン
〈曲について〉メドレーの3曲目。次の曲とシームレスに繋がっている。
12.「Polythene Pam – ポリシーン・パン」
〈作詞・作曲〉レノン/マッカートニー
〈リード・ボーカル〉ジョン・レノン
〈曲について〉メドレーの4曲目。
13.「She Came In Through The Bathroom Window – シー・ケイム・イン・スルー・ザ・バスルーム・ウィンドー」
〈作詞・作曲〉レノン/マッカートニー
〈リード・ボーカル〉ポール・マッカートニー
〈曲について〉 メドレーの5曲目。歌詞の内容は、ポール・マッカートニーの自宅のバスルームの窓から侵入したファンが起こした事件からインスパイアされて付けられた。
14.「Golden Slumbers – ゴールデン・スランバー」
〈作詞・作曲〉レノン/マッカートニー
〈リード・ボーカル〉ポール・マッカートニー
〈曲について〉メドレーの6曲目。優しいピアノから始まり、徐々に壮大なオーケストラアレンジに発展する構成が印象的な曲。
15.「Carry That Weight – キャリー・ザット・ウェイト」
〈作詞・作曲〉レノン/マッカートニー
〈リード・ボーカル〉リンゴ・スター、ポール・マッカートニー
〈曲について〉メドレーの7曲目。メドレーのクライマックスとして、バンド全員のヴォーカルが特徴的な曲。
16.「The End – ジ・エンド」
〈作詞・作曲〉レノン/マッカートニー
〈リード・ボーカル〉ポール・マッカートニー
〈曲について〉メドレーの最終曲。 メンバー全員のソロ・パートが含まれている。ジョージ、ポール、ジョンの3人が交互にギターソロを披露し、リンゴもドラム・ソロを演奏している。
17.「Her Majesty –ハー・マジェスティー」
〈作詞・作曲〉レノン/マッカートニー
〈リード・ボーカル〉ポール・マッカートニー
〈曲について〉イギリスのエリザベス女王について歌った曲。隠しトラックとして収録された短い曲で、長さはわずか23秒。歌詞の内容は、エリザベス女王に対する愛着と皮肉が入り混じったものとなっている。
01、03~04、06、08~17の14曲がレノン/マッカートニー名義の楽曲。
02、07の2曲がジョージ・ハリスン名義の楽曲。
05がリチャード・スターキー(リンゴ・スターの本名)名義の楽曲。
『Abbey Road – アビイ・ロード』をソング・ライターの比率で見ると、以下のとおり。
レノン/マッカートニー名義の楽曲 = 82.3%
ジョージ・ハリスン名義の楽曲 = 11.8%
リチャード・スターキー名義の楽曲 = 5.9%
※1 『マジカル・ミステリー・ツアー』は、イギリスのオリジナル盤は2枚組EPという形で発表されたので、当初はアルバムとしてはカウントされていなかった。しかし、ビートルズのアルバムがCD化された際に、『マジカル・ミステリー・ツアー』がアルバムとしてカウントされる事になった。現在は発売日の順に伴い、9作目のアルバムにカウントされた。それに伴い『アビイ・ロード』は12枚目のオリジナル・アルバムとなった。
イギリスのアルバム・チャートで17週1位を記録
『Abbey Road – アビイ・ロード』は、1969年9月28日付けのイギリスのアルバム・チャートで初登場1位を記録した後、11週連続で1位を記録した。その後、1969年12月14日付けのチャートでは2位に落ちたが、1969年12月21日付けのチャートで再度1位に復帰後、1970年1月25日付けのチャートまで6週連続の1位を記録した。
トータルでは17週1位を記録した。イギリスのアルバム・チャートにはトータルで97週に渡って登場した。
2019年9月27日には『Abbey Road – アビイ・ロード』のアルバム・リリース50周年記念スペシャル・エディションが世界同時発売され、2019年10月4日付けのイギリスのアルバム・チャートで1位を獲得した。
これにより『Abbey Road – アビイ・ロード』はアルバム発売から50年が経過して、再びチャートで1位を獲得する事となった。
アビイ・ロードはロンドンにある道路の名前 その横断歩道は世界的な観光スポットに
「アビイ・ロード」はイギリス・ロンドンのカムデン区とウェストミンスター市にある道路の名前でもある。 その道路の横断歩道を渡るメンバーの写真をアルバム『Abbey Road – アビイ・ロード』のジャケットで使用した。
これにより「アビイ・ロード」は一躍有名になり、世界中のビートルズ・ファンが訪れる観光スポットとなった。 2010年12月には、イギリス政府が設立した、文化遺産の登録などを行う組織イングリッシュ・ヘリテッジがアビイ・ロードの横断歩道を文化的・歴史的遺産(グレード2)に指定した。
アビイ・ロードは レコーディング・スタジオの名前 ビートルズ人気にあやかり改称
「アビイ・ロード」はレコーディング・スタジオの名前でもある。ビートルズの所属レコード会社EMIが、1931年にイギリス・ロンドンに開設した。
スタジオの元々の名前は「EMI・レコーディング・スタジオ」だったがアルバム「「アビイ・ロード」によって、その名前が有名になった事で、1970年にその名前を「アビイ・ロード・スタジオ」に改称した。アルバム『Abbey Road – アビイ・ロード』以外にも、ビートルズの多くの作品がこのスタジオで録音されている。
ビートルズ解散後にもメンバーそれぞれのソロ・アルバムのレコーディングでも使用している。2012年9月、ユニバーサル・ミュージックがEMIを買収した事により、アビイ・ロード・スタジオはユニバーサルミュージックの所有物となった。